NEW MAKE
未来のスタンダードとなる、
独創的なものづくりを。
篠崎8代目・篠崎倫明が、「SHINDO LAB」立ち上げの背景や、
このたび発表したウイスキーの第一弾商品である「NEW MAKE」の開発にこめた想いを語ります。

PROFILE

篠崎 倫明
大学院卒業後、家業へ。アメリカにおける高峰譲吉博士の偉業を現代に蘇らせた「TAKAMINE KOJI FERMENTED WHISKEY」、樽熟成麦焼酎の吸光度に起因した「リキュール 朝倉」など、既存の概念にとらわれない新しい商品を提案し続ける。

THE QUEST FOR THE ORIGINAL
の実現へ。

“右にならえ”では面白くない。
革新性と提案性を追い求める。

これまで私たちは、100年以上にわたって福岡でお酒造りを営んできました。そして2021年、新たな挑戦として、朝倉市・新道という自然に恵まれた場所にウイスキーの蒸留所を立ち上げました。これから「SHINDO LAB」というブランドのもと、さまざまな商品を展開していきますが、一貫して大切にするのは「THE QUEST FOR THE ORIGINAL」というコンセプトの体現です。世の中に普通にあるものではなく、これからのスタンダードになるものを追求する。お酒というものはやっぱり嗜好品ですから、私たちのような小規模の企業だからこそ目指せる、革新的で提案性のある商品開発に挑んでいきます。

100年の物語を受け継いで。

親子2代の想い。
麦芽を使ったウイスキーへの挑戦。

「SHINDO LAB」のコンセプトである「THE QUEST FOR THE ORIGINAL(独創性の追求)」。私たちがこの精神を大切にするようになった経緯をお話しします。幼い頃、父からある偉人の話をよく聞かされました。その人の名は、高峰譲吉博士。約100年前にアドレナリンの結晶抽出に史上はじめて成功するなど、世界に誇る化学者として知られています。しかしそれ以前、博士はアルコール業界とも関わりをもっており、アメリカのウイスキー会社に請われ、通常は麦芽を用いるところを東洋の技術である麹を用いてウイスキーを造るという、独創的な試みを行いました。麹のもつ高い糖化力のことを博士は知っていたのです。残念ながら、彼のアルコール業界での挑戦は当時のアメリカでの保守的な勢力に阻まれ実を結ばず終わってしまったのですが、父は既存の手法や固定観念に囚われず、科学的な根拠を背景に独創的な挑戦を行おうとした精神に感銘を受け、幼い私に伝えたのでした。そして父はその後、麹を用いた甘酒の製造、樽熟成麦焼酎製造の追求など、酒造会社としてはかなり革新的な挑戦を続けてきました。

そんな時、私は家業に戻ってきました。「高峰博士のこと覚えてるか?」父は私にそう語りかけました。幼き日の父との思い出が電流のように駆け巡り、私は高峰博士のことを思い出しました。父が樽熟成麦焼酎に傾斜して焼酎の製造を行っていたのには理由があり、博士の100年前の挑戦を現代アメリカで再現しようとアメリカでの「麹を用いたウイスキー製造方法」に関する特許を取り寄せ、可能な限り当時の製法を再現する準備をしていたのです。試行錯誤の末、私たちは2021年、アメリカで「TAKAMINE KOJI FERMENTED WHISKEY」の販売を開始しました。すると、今度は日本国内で様々なことがおきました。「麹を使ったものなんてウイスキーではない」という声。「TAKAMINE KOJI FERMENTED WHISKEY」はそもそもアメリカ限定販売商品。アメリカでは、麹を使用した場合でも一定の製法を守れば「ウイスキー」として認められています。

また、「この商品は、せっかく高まった日本産ウイスキーの価値を棄損する」という声もありました。同商品はあくまで、高峰博士のかつての偉業を現代アメリカに問いかけるアメリカ国内におけるプロジェクト。麹を使用していることや、高峰博士の100年前のアメリカでの挑戦のことなどを積極的に現地アメリカで伝える努力を続けています。近年海外で売れるようになった日本産ウイスキーのふんどしで相撲を取っているわけではなく、新しい蒸留酒のカテゴリーをアメリカで切り拓こうとしているプロジェクトです。いつの時代も、国においても、新しい挑戦には様々な声を伴うな、と感じました。しかし同時に、ウイスキーを愛する方々の熱量に触れた瞬間でもありました。私たちと縁浅からぬウイスキー。このなんとも魅力的な分野を、私たちの次なる挑戦の場に選ぶことにしました。

自分たちだからできる、
手間ひまを。

細部にまでこだわって、繊細な香りを追求し尽くす。

挑戦する以上、ウイスキー分野でも「THE QUEST FOR THE ORIGINAL」を大切にしています。ただ、私たちも麦芽を使用したウイスキー製造ははじめてです。大手のウイスキーメーカーにいらっしゃった著名な蒸溜家に師事し、私たち独自の開発を化学的根拠をもって推し進めることにしました。私たちのようなクラフトウイスキーメーカーがしっかりとした品質のものを世に送り出すこと、これこそがジャパニーズウイスキーの価値を維持・向上させることになると考えているからです。目指したのは、全体の1%にも満たないようなマイナーな香りの追求です。そのために、原料処理から糖化、もろみの育成、蒸溜と、それぞれの工程に化学的根拠をもち、目指す香りの成分をしっかりと構築し、織り込んでいく原酒造りを行っています。

これから育っていく過程に
思いを巡らせて。

ほかの「NEW MAKE」とは違う、
複合的な香りを味わってほしい。

そうして生まれたのが、この「NEW MAKE」です。これは樽に入れて熟成させる前の原酒の状態を指す言葉で、いわば“ウイスキーの赤ちゃん”のようなものです。一般的にはバーテンダーさんやコアなファンの方など、ウイスキーに造詣の深い方向けにご紹介する商品ということもあり、はじめて耳にする人も多いと思います。

いちばん最初の赤ちゃんの状態を知っていただき、その後どんな風に育っていくのかに思いを巡らせる。そんな楽しみ方をしていただく商品です。加水していただき、私たちの目指すマイナーな香りを大切にした“重層的な香味”を楽しむ方法がおすすめです。熟成前でもこんなに豊かな香味なんだ、と面白みを感じていただければと思っています。ただ、あくまで嗜好品です。これをもとに、ハイボールやカクテルをつくってみるなど、様々な楽しみ方があっていいのではないかと考えています。

ゆったりと、
自分と向き合う時間に。

それぞれの趣味嗜好に合わせて、
アレンジできる楽しさがある。

最近、時勢的にもご自宅で過ごす方が増えています。そうした、ゆったりと自分と向き合う時間に、ウイスキーは相性が良いと思うのです。先ほどもお話ししたように、楽しみ方も多様でいいと思います。 水の量をいろいろ変えてみたり、ソーダで割ってみたり、「NEW MAKE」の香りをご自身なりに楽しんでみてもらいたいですね。人それぞれの趣味嗜好にきちんと応えられる原酒だからこそリリースしている自負もあるので、ぜひいろいろと試してみてくださいという気持ちです。そして、これから樽に入れて熟成をしていくわけですが、この新道という温暖な気候を受けてどのように育っていくか、私たち自身も楽しみにしていますし、お客様にも期待していただければと思います。

PRODUCT 01
NEW MAKE
¥2,750
(税込)
酒別:ウィスキー
「THE QUEST FOR THE ORIGINAL」をコンセプトに掲げる私たちのウイスキー造りは、2021年8月に始動。全体の1%にも満たないマイナーな香りの表現を目指し、各製造工程に化学的な根拠をもとにした仕組みを導入しています。独特の重たく甘い香り(ラクトン系)、草原のような爽やかな香り(グリーンアルデヒド)などによる重層的な香りをお楽しみください。
どのお酒とも違う、
やんちゃな感じの味がいい。
福岡・天神のタコス専門店「Tacos Stand」のオーナー・teppeiさんと、
福岡を拠点に作家活動を行い、同店の常連でもあるWOK22さんに、「NEW MAKE」を今回ひと足早く楽しんでみてもらうことに。
はじめての「NEW MAKE」との出会いに、従来の味わい方とはまたひと味ちがう、自由な「NEW MAKE」の楽しみが見えてきました。

PROFILE

teppei
「Tacos Stand」オーナー。“In tacos × cult we trust”をテーマに、「TacosStand」を立ち上げ、和とメキシコを独自にフュージョンし、キャッチーに昇華させた新しいスタイルのタコスと、様々なカルチャーを織り混ぜながら、街のコミュニティを育む一翼を担っている。
WOK22 (FUWA YASUSHI)
福岡在住のグラフィックアーティスト、ペインター。雲や触手を好んで描いており、自分の中にあるポップでダークな部分を表現する。Softbank HAWKSユニフォームデザインやSTUSSY、PARCO、ADIDAS 、ONE PIECEアートプロジェクトなどへアートワークの提供をするなど活動は多岐にわたる。

ひとことで表現できない、
いろいろな顔がある。

パンチの強さ、味の複雑さが、新しくて面白い
まずは薄めずに「NEW MAKE」を飲んでもらいましたが、どんな印象でしたか?
teppei
かなりパンチあるね。テキーラよりすごいかも。まず思ったのは、ジンとかのスピリッツみたいな風味で、でもウィスキーは感じるんだよなーという。これまで飲んだことない印象だったね。
WOK22
ですよね、なんか味が変わるなって。最初は日本酒みたいで、またひと口飲んだら焼酎っぽくて、だんだんとウイスキーらしさが出てくる。いろいろな顔があるなと思いましたね。樽に入れる前だからなんでしょうね、やんちゃな感じの味がする(笑)。
teppei
「NEW MAKE」という言葉自体はじめて聞いたし、なかなかこういう状態のものを飲む機会もないから面白いね。
WOK22
これから樽に入れてウイスキーらしくなって、というのがイメージつかないですもんね。
teppei
そうだね。最終的に熟成されて完成したものと比べて飲んでみたいよね。

NEW MAKE meets TACOS!

NEW MAKEのアレンジと、相性のいいタコスとは。
teppeiさん、このNEW MAKE、どんなふうにアレンジすると良さそうですか?
それに合うタコスも教えてもらいたいです。
teppei
おっ、ちょっとつくってみましょうかね。やっぱり福岡ということもあるし、魚と合わせてみるのがいいかなと思ってます。
では、teppeiさんにつくってもらっている間にWOKさん、
この「NEW MAKE」で作品をつくるとしたらどんなイメージでしょうか?
WOK22
そうですね。なんか、まだ色がついてないみたいなところがありますからね。例えば同色でつくるとか。黒に黒とか。ただ、黒なんだけど色味が違うものを組み合わせるみたいな。塗料が馴染んだらどういう感じになるんだろうなっていうウキウキもあるし、面白いかなと思いましたね。
teppei
タコスできましたよ〜。ちょっと2種類やってみました。まず「NEW MAKE」にメキシコのキーライムっていう柑橘を搾って、自家製のレモンシロップをちょっとだけ入れてソーダで割ってます。塩を少し舐めながら飲むのもいいと思います。個人的には、ものの良さを感じながら飲みたい派なので、あまりイジりたくないっていう感じですかね。
WOK22
これゆっくり飲めますね。お酒の味も強いんだけど、飲みやすい。独特な感じですね。何っぽいかって言われても、全然わからないけど(笑)。
teppei
で、これが、このお酒に合わせるタコス。うちの名物の「胡麻鯖タコス」にチーズのフリットを合わせたやつで。この「NEW MAKE」って、ウイスキーでありながらスピリッツ感もあるんで、それを活かすために揚げ物をベースにチーズも入れたら美味しいだろうなと思って。
WOK22
うまっ。お酒の爽やかさに、このタコスの濃厚さが合いますね。
teppei
もう1品、つくってみました。タコスは、対馬産の穴子のフリットをベースにしてます。そしてこのお酒は、ミントを使って、ミントジュレップのような甘さと爽やかさを感じる仕上げにしてみました。
WOK22
うん、さっきとまた味が違いますね。これはこれで、爽やかでいいですね。でもやっぱり、よく知っているウイスキーとはぜんぜん違う感じですね。
teppei
ソーダでそのままでもいいし、カクテルっぽくしてもいいし。どんなお酒のつくり方をしてもハマる感じ。けっこうタコスに合わせても面白いなと思いました。ちょっと異国を感じる的なね。

コミュニケーションツール
としてのお酒。

人と人。その間をつなぐ、お酒のストーリー。
ふだんは、どんなシチュエーションでお酒を楽しんでいますか?
WOK22
僕はほとんど外に出たときしか飲まないんです。楽しい場で飲むっていうのが前提で、人と話しながらお酒を飲むのが好きです。
teppei
なんでしょうね。やっぱり会いたい人のところに行きますよね。あの人としゃべりたいなとか。このお店に関しては、僕はつなぐことはずっと大事にしてますね。ここからまた新しいコミュニティができたり、仕事が生まれたり。
WOK22
そうですね。僕は飲みの場でお仕事をいただくとか企画が生まれるとか、よくあるんですよ。飲みの場の楽しい会話の延長に仕事があるから、より頑張ろうと思うし、仕事も楽しくてずっとやめられないって感じですね。
そういう場でお酒に求めることってなんですか?
WOK22
それこそ、今回の「NEW MAKE」みたいなものって、特別感あるじゃないですか。それってなんか、ひとつの話のスパイスになりますよね。特別であることってすごく重要だなって思いますよね。
teppei
そういうのって大事だよね。店員さんが「これはこういうお酒で・・・」みたいに紹介をしてくれて、それでファンになっていく感じとか、僕は好きですね。やっぱりストーリーとかこだわりとかは意識しますね。そう考えたら、お酒ってコミュニケーションツールかなっていう気がしますよね。
WOK22
僕が家で飲まないのはそれなんです。お酒があるからいろんな人とつながれて、人生が豊かになるって感じですね。まあ飲みすぎちゃうんですけどね。
teppei
だから、今回のこのお酒のように、なにか語れるストーリーがあるものだと話も弾んでいいなーって思うよね。
PRODUCT 01
NEW MAKE
¥2,750
(税込)
酒別:ウィスキー
「THE QUEST FOR THE ORIGINAL」をコンセプトに掲げる私たちのウイスキー造りは、2021年8月に始動。全体の1%にも満たないマイナーな香りの表現を目指し、各製造工程に化学的な根拠をもとにした仕組みを導入しています。独特の重たく甘い香り(ラクトン系)、草原のような爽やかな香り(グリーンアルデヒド)などによる重層的な香りをお楽しみください。
Tacos Stand
名物の「胡麻鯖タコス」をはじめとした、型にハマらない独自のタコスや、お酒を提供しているタコス酒場。様々なカルチャーと交流しながら、遊べるタコス屋としてコラボやpopupなども行なっている。
福岡県福岡市
中央区今泉2-4-33 2F
092-791-5754
18:30-翌2:00 / 不定休
URL
https://www.instagram.com/
tacosstand_fukuoka
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SHINDO LAB

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